すらっぱえ日記

筆者の頭の整理のためのアウトプット場です

何のために絵を描くのか

【私にとっての絵】

私は小さいころから絵を描くのが好きだった。

絵を描くことで「すごいね!」「上手だね!」

とまず喜んでもらえること・褒めてもらえること・注目を浴びることが好きだった。

 

同じクラスにいた絵が上手な子には常にライバル心を燃やしてたし

クラスで一番絵が上手でいたかった。

元々は大好きなポケモンを自分で描けるようになりたくって描き始めた。

 

それが、小学校高学年になるにつれて「少女漫画」風の画風を描く子が増えて

私も自然と「これが今流行りなのか」と他の子と同じように「ちゃお」「りぼん」などの少女漫画を読み、またそのような絵柄を真似るようになった。

 

絵は「他より優れている」と思える自身の唯一の要素だったため、毎日描いていたし、

毎日描かないと誰かに抜かされる・そんなのは嫌だと競争心で描くようになっていった。

 

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それが、中学2年の香港から大阪に転校するタイミングで一度きっぱり描かなくなった。

周りにアニメや漫画に対して「オタク・陰気臭い」という雰囲気が蔓延していたからだ。

 

なるべく穏便に学校生活を送りたかったので、自然と絵を描かなくなっていった。結局、「私は絵が上手だということを誰かに認めてほしい」という心理状態で絵を描いていたのだと思う。

それが、「周りからは求められていない」状況になり、描く意義が薄まったのだと思う。自分の中だけで完結する絵は描こうと思ったことがなかった。誰かに見て褒めてもらうまでがゴールだった。

 

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中高大と、長い間絵を描かなくなった。

それでも、大学進学の時期に、「絵の専門学校に行くか」「英語を学べる大学に行くか」

と私の中でなんとか「絵」は選択肢として残った。

 

絵なんてしばらく描いてなくて、中学生当時は同年代で「上手な部類」だった私も

高3の頃にはずっとさぼらず描き続けた人たちと圧倒的な差が生まれていた。

「今更無理か。」と思って絵の専門学校に行く選択肢は消えた。

まぁ、今思えば別に専門学校なんて、画力が問題じゃないんだけど。当時の私は画力が絵の全てだと思っていた。

 

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それから、久しぶりに本格的に絵を描くようになったのが社会人になってから。

昔大好きだったアニメの続編が映画でやると聞いて、その作品で好きなキャラクターの成長した姿をどうしても描きたくなったのがきっかけ。

 

あとは、社会人生活1,2年目のストレスもあったと思う。会社で仲良い人がしばらくできず、使えない奴認定されて冷ややかな目で見られていたから、創作活動は現実逃避先としてとても有難い存在だった。

 

ツイッターに登録し、同じキャラクターやカップリングが好きな人たちを見つけ、小さなコミュニティができた。

 

好きな作品・キャラクターについて考察するのはとても楽しかった。

二次創作は、毎日絵をツイッターに上げるほどハマってしまった。

そのハマる原因に「同じ価値観を共有できる仲間がいる」ということと、「すぐに反応が返ってくる」ということがあった。

 

特に、絵を投稿してすぐに「いいね」や「リツイート」といった反応が返ってくるのには癖になった。癖が、中毒になり、いいねの数やリツイートを気にして絵を描くようになった。

 

最初は純粋に好きなキャラクターを描いていただけだったのに、

気づけば「ほかの人が求めてそうなイラスト」を描くようになった。

 

自分の「上手に描けた!これはたくさん反応がもらえるはず!」という自己評価とは裏腹に、いいね等の反応は伸びなかった。あと、人との評価の差をいちいち気にするようになった。

それに、自分が100%心からいいと思って描いているものではなくなっていっていたので、描いててもどこかしんどかった。

 

自分が描いているものと、自分の描きたいもののギャップに疲れて、ある時に描くことを辞めた。閉鎖的で監視社会的なコミュニティにも疲れていたんだと思う。

 

【何のために絵を描くのか】

これまで、「デンマークでの滞在経験を漫画で描きたい」「旅行のレポ漫画を描きたい」

と幾度か思って描き始めたことがある。

けど、途中で飽きて日の目を見ないらくがき・下書きが増えるばかり。

 

ちなみに、3年前に一度全くのオリジナル漫画を作成して、コミティア(創作イベント)で少部数だったけど自分の漫画を売ったことがある。

(二次創作は結局人様の作品を借りて成り立つ事だったので、いくら評価されてもどこか虚しかったし胸を張って言える趣味でもなかった。そこで、一度自分の力だけで漫画を描いてみようと思った)

 

その初めての漫画制作で、思っていたより自分から出てくるものがないということ、暗い話しか出てこなくて心底がっかりしたのを覚えている。

あと、30ページ程の漫画を描くのにかかる労力・エネルギーも想像を絶するものだったので「漫画制作」は個人的に軽い気持ちで始めれないのだ。

 

「自分から面白いものは出てこない。もっといろんなことをインプット・経験しないといいものは作れない」と思い、その後は創作活動をしなくなった。

 

メインの理由ではないけど、海外を一人で旅してみたり、カンボジアで記者養成プログラム(新聞記事のような型の書き方を現地で実際にインタビューしながら学ぶプログラム)に参加してみたり、ワーホリに行こうとデンマークに長期滞在することになったのも、「漫画/創作のために面白い経験のインプットがしたい」という気持ちがあって選択した部分があったと思う。

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「漫画を描く」と思ってたのに、いつまで経ってもエンジンがかからない。たまに思い出したようにネタを掘り起こして下書きしてみるけど、完成させるほどのモチベーションがなくすぐ没になる。

 

ここまで来てやっと気付いたのは、「恐らく私はそんなに漫画を描きたくない」ということ。

 

インスタグラムなどで軽く留学漫画/海外滞在記的な漫画を描くのもありかなと思ったけれど、なんか、違うのだ。

 

アウトプットが目的(自分の心理整理)ならブログなどの文章のほうが楽だしすぐにできる。つまり、何を目的に漫画を描くのか、いまいち分かっていないんです。旅行の醍醐味?個人的体験?デンマークでのあるある話?それを漫画でわざわざ描く意味とは。

 

文章より漫画のほうが見る側からすると敷居が低いというのは分かるし、広めたいという気持ちから体験を漫画にしたいと思うこともあった。

 

けど絵を描くなら簡易的なイラストより、詳細に込み入った絵を描きたいという気持ちもあり、絵のクオリティの高い漫画を描くとなるとそれはそれで腰がやっぱり重いのだ。

 

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何故そんなにも「漫画を描かなきゃ」と思っていたのだろう?

 

「せっかく長い間絵を描いてきたんだし」

というまた、すべき論に縛られて「漫画を描かなきゃ」と思い込みたかったのか。

 

長い間時間を費やしてきたことって、なかなか捨てられない。

 

絵に対して、自分で整理しきれない気持ちでおります。考えすぎかな。とりあえず出して分かることもあるかなと、記録。